歯科治療について
歯周病とは
歯周病とは、歯垢や歯石に含まれる細菌が増殖することにより起こる炎症です。 ワンちゃんネコちゃんの歯周病は人のような虫歯はほとんどなく、歯肉がだんだん傷んでいき、最終的には歯がぐらつき抜け落ちていくようになっていきます。 また、歯だけの問題ではなく、細菌が歯茎の血管に侵入し全身の内臓も痛めてしまう事になるため、歯の問題だけではなく命の危険にもつながる大変重要な病気です。 最近では「年1回のスケーリングで死亡リスクが20%近くも下がる」というデータも出ています。 つまり歯をきれいに保つことが、ワンちゃんネコちゃんの長生きにつながるのです。
歯垢と歯石、バイオフィルムについて
歯垢(プラーク)とは口の中の細菌が食べ物のカスや口腔内の細胞などと混じりあった塊です。
歯垢は食事後6〜8時間で歯の表面に付着をし始めます。
歯の表面が傷つきガタガタしているとさらに歯垢はつきやすくなります。
しかし、この歯垢は歯磨きをする事で除去する事が可能です!
一方、歯石とは付着した歯垢が唾液に含まれるミネラル分によって石灰化したものです。
歯垢は付着後3〜5日で歯石に変化します。
一度この歯石になってしまうと、歯磨きで除去することはできなくなります。
そのため歯垢の状態であれば歯磨きすれば大丈夫なのですが、歯石がある程度ついてしまうと歯磨きをしても除去する事ができないため、スケーリングの処置(麻酔下での歯石除去)が必要になってきてしまいます。
また、バイオフィルムとは細菌たちが自らをフィルム上に包み込むもので、これにより、免疫や抗菌薬に対し抵抗力を持つようになります。口の中の細菌たちはこのバイオフィルムを作り歯の表面に付着していきます。
歯の表面がヌメッとしていることがあるかもしれませんがそのぬめりの原因はこのバイオフィルムです。
しかもこのバイオフィルムも歯磨きでは除去することができません!
バイオフィルムまでしっかり除去するにはやはりスケーリングが必要になってきます。
当院の歯石除去(スケーリング)および抜歯について
スケーリング(麻酔下での歯石除去)は歯垢・歯石の状態によりさまざまな治療工程がありますが、どの状態でも必ず行う二つの行程があります。
超音波スケーラーは超音波のマイクロ振動と水圧により、歯垢や歯石、そしてバイオフィルムを除去します。
歯の表面に残った細かい歯石を除去し、かつスケーリングの行程でできる細かな傷を除去します。 このポリッシングの過程は荒研磨と仕上げ研磨の2回行います。 荒研磨でまず細かく残る歯石を除去します。 次に行う仕上げ研磨で歯の表面にできた細かな傷を除去し、歯の表面を滑らかにします。 歯垢・歯石を除去した歯の表面は、細かな凹凸のある状態です。そのためスケーリングを行っただけだとその凹凸の部分にのちのち歯垢・歯石が付着しやすくなってしまいます。 ポリッシングをする事で歯の表面を滑らかにし、スケーリング後のキレイな状態を保つとともにバイオフィルムや歯垢・歯石の再付着を防ぎます。 口腔内の環境が弱い子はスケーリングをしても時間が経つとどうしても歯垢・歯石は付着してしまいます。それでもこのポリッシングをすると、しないときと比べて再付着の仕方は明らかに違ってきます。 また歯石除去をする上で、歯肉の炎症や後退が著しく、獣医師が必要と判断すれば抜歯も一緒に行います。
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当院でのオーラルケア
「自宅で歯磨きをできるようになりたい」
「自宅だと歯磨きは出来ないけれど、病院でやってくれるならお願いしたい」
「忙しくて自宅で歯磨きが出来ない」
という方のために当院ではワンちゃんのための歯磨きや歯磨き指導も実施しています。
お得な回数券も販売しております。ご興味ある方はスタッフまでお問合せください。
※猫ちゃんの歯磨きは行っていません。ご了承ください。
また、「病院に歯磨きをしてもらうために、なかなか連れていくことが出来ません。」「歯磨きが難しいので、自宅でできる他のデンタルケアはありませんか?」という方のためにさまざまなデンタルケアグッズもご用意しています。
その子に合ったデンタルケアグッズのご紹介もさせていただいています。
デンタルケアグッズに興味がある方も来院した際はスタッフまでお声がけください。