漢方薬のはなし8 ~冬の「腎」ケアしませんか?~

漢方薬のはなし

 

 

獣医師の林です。

 

この「陽だまりしっぽ通信」では、現在当院で取り入れている「漢方薬」についてお話しています。

 

  前回の話はこちらへ → 「漢方薬のはなし7 ~順明潤について~

 

今回は、 動物たちの体調を守る、冬の漢方ケアについてお話をします。

 

寒さが本格的になる冬は、人と同じようにワンちゃんや猫さんにとっても体に負担がかかる季節です。

 

私も学生時代に痛めた腰が冬になるときしみやすくなるので、腰に負担がかからないように中腰の姿勢をしないように気を付けながら日々過ごしています。

腰が痛いのはほんと辛いですからね・・・。

 

東洋医学では、冬は「腎(じん)」という臓器と深く関係する時期と考えられています。

腎は、成長、発育、生殖に関する働きを生涯にわたって左右する重要な生命力のもとです。

具体的に腎臓は、尿を作る働きだけでなく、老化・免疫・足腰の力・生命エネルギー全体に関わる大切な役割を担っています。

そのため、腎の働きが弱ると、

・元気がなくなる

・寒がる

・足腰が弱くなる

・多飲多尿

といった変化が少しずつ現れてきます。

特に冬は、寒さによって腎に負担がかかりやすく、シニアの仔や、もともと体力が落ちている仔では、春先に体調を崩すきっかけになることも少なくありません。

当院では、こうした「病気になる一歩手前」の段階から体調を整える方法のひとつとして、冬の体質に合わせた漢方薬による腎のサポートを行っています。

漢方薬というと「即効性がない」「飲みづらい」という印象を持たれる方もいらっしゃいますが、私たちが漢方薬処方の際に大切にしているのは、治すための薬ではなく、季節に合わせて体を支えるケアとしての使い方です。

冬の「腎」ケアでは、
・冷えやすい
・冬になると元気が落ちる
・足腰が弱ってきた
・乾燥する
・水をよく飲み、尿量が増えている
・年齢とともに体力の衰えを感じる

といったサインをもとに、その仔の体質を判断し、漢方薬を処方しています。

あくまで従来の西洋医学的な検査や治療を基本としながら、その仔にとって無理のない形での漢方薬導入を取り入れることを大切にしています。

冬の間に体の土台である「腎」を整えておくことは、春を元気に迎えるための大切な準備でもあります。
「年のせいだから仕方ない」と思われがちな小さな変化も、実は体からのサインかもしれません。

気になることがありましたら、診察の際にお気軽にご相談ください。