漢方薬のはなし

獣医師の林です。
これからこの「陽だまりしっぽ通信」で、現在当院で取り入れている東洋医学の中の「漢方薬」についてお話していこうと思っています。
東洋医学とは、私たちの体に備わっている治ろうとする力(=自然治癒力)を高めて、不調や病気を治療する伝統医学です。
当院で現在取り入れている東洋医学は、漢方薬と鍼灸です。
私が主に漢方薬の処方を行い、獣医師の古賀が鍼灸を行っています。
漢方薬は人の病院でも処方されていることもあるので、なじみがある方も多いかもしれません。
ただ漢方薬は
名前が漢字だらけで読めない・・・
気とか陰とか陽とかよく分からない・・・
など、難しいイメージがあるかもしれません。
今後この「陽だまりしっぽ通信」では、なるべく具体例な例を紹介しながら漢方薬についてお話しをしていきます。
今回は初回ということなので、西洋薬と漢方薬の違いについてお話をしたいと思います。
西洋薬と漢方薬の違い①:薬理作用の違い
西洋薬は主に一つの有効成分で薬理作用がはっきりしています。
イメージとしては病気の原因や症状が起こっている場所に直接アプローチして、ピンポイントで効果を発揮します。
一方、漢方薬は2種類以上の生薬で構成されていてすべての薬理作用は解明されていませんが、その分様々な場所に作用するので複数の症状に対応することが出来ます。
西洋薬と漢方薬の違い②:処方の違い
西洋薬は病気や症状に同じ処方をします。
一方の漢方薬は体質や状態によって処方されるので、違う病気でも同じ漢方が処方されることがあります。
現在ペットフードの普及や獣医療の進歩などによりペットの健康寿命が延びて長生きに繋がっています。
それは大変喜ばしいことなのですが、その分ペットの高齢化に伴い既存の西洋医学での治療だけで対応できないケースがとても増えてきている実感があります。
一例をお伝えすると、
・食ムラが出てきた。
・不定期に便がゆるくなる。
・夜鳴きが治まらない。
・膀胱炎を繰り返す。
・足腰が弱ってきた。
などなど
この仔の症状を楽にしてあげたい
何か他にできることはないのか?
そのような思いから当院で取り入れたのが漢方薬です。
今までの西洋薬の治療に漢方薬を加えることで、上記に挙げたような症状を緩和することが出来ます。
ということで次回からは実際に当院での漢方薬の処方例についてお話をします。
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