漢方薬のはなし11 春からの皮膚病対策をしませんか? その2
獣医師の林です。
この「陽だまりしっぽ通信」では、現在当院で取り入れている「漢方薬」についてお話しています。
前回の話はこちらへ → 「漢方薬のはなし10 春からの皮膚病対策をしませんか?」
4月に入り、だいぶ暖かくなってきましたね。
この時期から本格的に増えてくるのが、わんちゃんの皮膚トラブルです。
春は東洋医学では「巡り」の季節。
しかし花粉や寒暖差、環境の変化が重なり、体のバランスが崩れやすくなります。
その影響が皮膚に現れることが多いのです。
前回は皮膚炎のタイプ別の漢方薬の提案をしましたが、今回はその体質に合った自宅でできるちょっとした養生についてお伝えします。
タイプに合った養生をすることで、皮膚のトラブルが和らぐかもしれません。
① 赤み・かゆみが強いタイプ
お腹や足先が赤い、急にかゆがる、掻き壊してしまう
このタイプは、体の中に“こもった熱”が原因のことが多いです。
【養生ポイント】
・脂っこいおやつは控えめに。白身魚や少量の野菜など、さっぱりしたものを取り入れるのがおすすめです
・散歩後は足裏やお腹を軽く拭く
・シャンプーは温かいお湯よりもぬるま湯がおすすめ
・シャンプー後は冷風ですばやく乾かす
特にこのタイプではシャンプー後にかゆくなってしまうことが多いので、温かいお湯よりもぬるま湯で洗い、乾かすことも温風を使わないことで体温上昇を防ぐとよいです。
② ベタつき・繰り返す化膿タイプ
皮膚がベタつく、毛穴にできものができやすい、外耳炎を繰り返す
このタイプは、体に余分な“湿”がたまりやすい傾向があります。
【養生ポイント】
・おやつの量を見直す
・体重管理を意識する
・湿気がこもらない環境づくり
寝床は通気性のよい素材にし、梅雨前から湿気対策を始めると効果的です。
このタイプは太ってしわが増えてくるとより悪化する傾向があります。
体重管理を意識するとよいです。
③ 乾燥・フケが目立つタイプ
フケが増えた、皮膚がカサカサする、かゆみはあるが赤みは強くない
このタイプは、皮膚を潤す力が不足している状態です。
【養生ポイント】
・過度なシャンプーを避ける
・室内の乾燥対策を行う
・良質な油分を少量取り入れる
外用薬の保湿剤も有効ですが、特にシニア犬では、内側から潤す体質ケアが大切になります。
春の皮膚トラブルは「体のサイン」です。
同じ皮膚炎でも、その仔の体質よって体の状態は異なります。
当院ではそれぞれのタイプに合わせたケアをご提案しています。
毎年春に悪化してしまう子は、今が整えるチャンスです。
気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。